かなり、久しぶりの投稿になってしまいました・・・
経産省の資料「デジタルガバナンスコード実践の手引き」では、「持続的な企業価値の向上を図っていくため経営者に求められる企業価値向上に向け実践すべき事柄を取りまとめたもの」として紹介されています。
そして対象事業者の規模は、広く一般の事業者。すなわち、中小企業、個人事業主までも含まれています。
売り出しているメッセージは、「DXの取組は、中堅・中小、そして小規模事業者の皆さんでもできるはず」ということですね。
手引き中には、「DX認定」や「DX銘柄」といった用語もありますが、その部分のメリットは伝わらないです。というか、認定を目当てに取り組むわけではないはずなので、そこはスルーしてもいいでしょう。
メインコンテンツである、実践すべき事柄について確認してみます。
資料中は、「柱となる考え方」という表現の部分です。
1.ビジョン・ビジネスモデル
”ビジネスとITシステムを一体的に捉え~・・・経営ビジョンの策定を行い・・・
ステークホルダーに示していく。”
➡トップがビジョンを示すというのは鉄板です。
2.戦略
”…デジタル技術を活用する戦略を策定し、ステークホルダーに示していく”
➡ デジタルをどう活用するか具体的に打ち出せるかがポイントでしょうか。
2-1.組織作り・人材・企業文化
”必要な体制構築…人材確保・育成や外部組織との関係構築・協業も重要な要素としてとらえる”
➡ 短期的対応と、中長期的対応の両面を睨んだ打ち手に踏み込めるか、この辺から経営者の本気度が試されます。
2-2.ITシステム・デジタル技術活用環境の整備
”…活用環境の整備に向けたプロジェクト…運用・投資計画等を明確に…”
➡ 実行のための準備段階の要素でしょうか。どの技術を使うかなど明確化がポイントです。
あと、予算とスケジュール。戦術作りです。
3.成果と重要な成果指標
”…戦略の達成度を測る指標を定め…”
➡ KPIとKGIの設定です。KPIをどう設定するかは企業の特徴次第。
4.ガバナンスシステム
”経営者は…リーダーシップを発揮。…戦略の見直しに反映していく”
➡ PDCAのCとAでしょうか。セキュリティに関してはここで言及しています。
総じて、読みやすい資料だと感じました。
セキュリティの部分は、認識から漏れがちだから、ガバナンスで取り上げて、別立てで深堀りする感じでしょう。
セキュリティだけで相当の観点があるので、この程度にしておいたということなのでしょうか。
DXだからと言って、経営者が取り組む内容は、一つ一つが地道な考えのアウトプットです。
「AIで何かできないか?」思考からの脱却を啓蒙するきっかけになるといいと思います。